工事写真・写真台帳·公開 2026年10月3日·FUKULO(合同会社商陣)

工事写真アプリの選び方|撮影・整理・施工管理の3タイプと、比べる項目

工事写真のアプリは数が多く、比較の記事を読んでも決めきれないことがよくあります。選ぶときは、製品名から入るより先に「撮る・整理する・台帳にする・共有する」のどこで時間を取られているかを決めると、見るべきタイプが1つに絞れます。この記事では3つのタイプの違いと、比べるときの項目を順に紹介します。

目次
  1. 工事写真アプリとは|撮影から台帳までを手伝う道具
  2. 工事写真アプリの3つのタイプ
  3. 工事写真アプリの選び方|困っている作業から決める
  4. 工事写真アプリを比べるときの項目
  5. 公共工事で工事写真アプリを使うときの注意
  6. 無料の工事写真アプリとExcelの使い分け
  7. 工事写真を整理して台帳にするアプリならフォトフクロウ
  8. 工事写真アプリのよくある質問
  9. 工事写真アプリのまとめ

工事写真アプリとは|撮影から台帳までを手伝う道具

工事写真アプリとは、工事の写真を撮る、整理する、写真台帳にする、関係者と共有するといった作業を、スマホやパソコンで手伝う道具の総称です。スマホに入れて使うアプリのほか、ブラウザで開いて使うクラウドのサービスも、まとめて「工事写真アプリ」と呼ばれています。

一般には、工事写真の仕事は次の4つの作業に分かれます。

作業手作業でのよくある形時間を取られやすいところ
撮るデジカメやスマホで、黒板を写し込んで撮る黒板を書き直す・持ち運ぶ・立てる
集める事務所に戻ってパソコンに写真を移す人ごと・端末ごとに写真が散らばる
整理する工事ごと・工種ごとにフォルダを分けるどの写真がどこのものか分からなくなる
台帳にするExcelに写真を貼り、項目を書く貼る・サイズを合わせる・並べ替える

工事写真のアプリは、この4つのうちのどこを楽にするかで作りが大きく違います。黒板を付けて撮ることに強いもの、写真を整理して台帳にすることに強いもの、工事全体の管理の中に写真の機能が入っているものがあります。

自社が4つの作業のうちどこで一番時間を使っているかを、先に考えておくと、このあとの選び方がぐっと楽になります。今のやり方で困っていない作業があれば、そこはアプリに置き換えなくても構いません。

工事写真アプリの3つのタイプ

工事写真のアプリは、得意な作業で分けると、大きく3つのタイプに分けられます。製品によっては複数のタイプにまたがるものもありますが、どこに一番力を入れているかで見ると整理しやすくなります。

工事写真アプリのタイプ1 撮影・黒板系

撮影・黒板系の工事写真アプリは、スマホで撮るときに画面上の黒板(電子小黒板)を写真に重ねて記録するタイプです。黒板を持ち運んだり、チョークで書き直したりする手間が減り、一人でも撮影しやすくなります。工種や撮影箇所をあらかじめ登録しておき、撮るたびに選ぶ形のものが多くあります。

公共工事で電子小黒板を使う場合は、写真の改ざんを検知できる機能(信憑性確認)に対応していることが求められます。撮影・黒板系のアプリを選ぶときは、この点が大事な比較の項目になります。

工事写真アプリのタイプ2 整理・台帳系

整理・台帳系の工事写真アプリは、撮り終わった写真を集めて、工事ごと・工種ごとに整理し、写真台帳の形で出すことに力を入れたタイプです。撮影は今までどおりデジカメやスマホの標準のカメラで行い、写真をあとからまとめて取り込みます。

黒板は紙や板の黒板をそのまま写し込む使い方になるので、撮影の手順は変わりません。その代わり、事務所で写真を並べてExcelに貼る作業を短くできます。今の撮り方は変えずに、台帳づくりの時間だけを減らしたい会社に向いています。

工事写真アプリのタイプ3 施工管理系

施工管理系のアプリは、工程表・図面・日報・チャットなど、工事の管理全体を扱う中に、写真の機能が入っているタイプです。写真を図面の上の位置にひも付けたり、協力会社と同じ画面で情報を共有したりできるものがあります。

できることが多いぶん、使い始めるときに覚えることも多く、料金も人数や機能に応じて上がる傾向があります。写真だけでなく、現場の情報のやり取り全体をまとめて変えたい会社に向いています。

タイプ楽になる作業向いている会社気をつけること
撮影・黒板系撮る公共工事が多い、黒板の手間を減らしたい公共工事では改ざん検知への対応を確かめる
整理・台帳系集める・整理する・台帳にする撮り方は変えずに台帳の時間を減らしたい電子小黒板の機能は製品ごとに有無が違う
施工管理系写真を含む現場の情報共有全体現場が多く、協力会社とのやり取りも変えたい覚えることと料金が増えやすい

工事写真アプリの選び方|困っている作業から決める

工事写真のアプリを選ぶときは、機能の多さで比べるより、自社が困っている作業から順に絞り込むほうが失敗が少なくなります。機能が多いアプリを入れても、現場の人が使わなければ、写真は結局今までどおりのやり方で集まるからです。

  1. 困っている作業を決める撮る・集める・整理する・台帳にする・共有するのどこに一番時間を使っているか
  2. 発注者の決まりを確かめる公共工事なら電子小黒板・改ざん検知・電子納品の要否を特記仕様書で見る
  3. タイプを選ぶ撮るなら撮影・黒板系、台帳なら整理・台帳系、現場全体なら施工管理系
  4. 無料期間で1現場を通す実際の工事1件で、撮影から台帳の提出まで試す
  5. 続けるかを決める短くなった時間と、現場の人が使い続けられるかで判断する
図:工事写真アプリの選び方(困っている作業からタイプを絞る)

撮るのに時間がかかっているなら

黒板を書き直す、持ち運ぶ、立てるといった撮影の手間が大きいなら、撮影・黒板系の工事写真アプリが候補になります。特に、一人で撮ることが多い現場や、撮る枚数が多い公共工事では、効果を感じやすいタイプです。

写真が散らばって集まらないなら

撮った写真が人ごとのスマホやデジカメに残ったまま、事務所に集まるまでに時間がかかっているなら、写真を1か所に集められる仕組みが要ります。クラウドに写真を預けられる整理・台帳系や施工管理系の工事写真アプリが候補になります。

台帳づくりに時間がかかっているなら

写真をExcelに貼って、サイズを合わせ、並べ替える作業に一番時間を使っているなら、整理・台帳系の工事写真アプリが候補になります。撮り方を変えなくてよいので、現場の人に新しい操作を覚えてもらう負担がほとんどありません。

現場とのやり取り全体を変えたいなら

写真だけでなく、工程の連絡や図面の共有、協力会社とのやり取りまで、まとめて仕組みにしたい場合は、施工管理系の工事写真アプリが候補になります。導入の前に、誰がどの機能を使うのかを決めておくと、使われない機能に料金を払う心配が減ります。

工事写真アプリを比べるときの項目

工事写真のアプリを比べるときは、次の項目を表にして、候補ごとに丸を付けていくと違いが見えやすくなります。全部に丸が付く製品を探すより、自社に要る項目に丸が付いているかを見ます。

比べる項目確かめること
写真の取り込みスマホから送れるか、パソコンからフォルダごと取り込めるか
整理のしやすさ撮影日順に並ぶか、フォルダや工種で分けられるか、検索できるか
台帳の出力Excel・PDFで出せるか、出したあとに直せるか、自社の様式に近いか
黒板電子小黒板があるか、改ざん検知に対応しているか
電子納品公共工事の電子納品の形式で出せるか
共有社内で工事を共有できるか、社外の人に見せられるか、権限を分けられるか
端末スマホ・タブレット・パソコンのどれで使えるか
料金人数ごとか会社ごとか、容量の上限、無料期間の有無
写真の大きさ預けたときに写真を縮めるか、元の大きさのまま残すか

台帳の出力の形を確かめる

工事写真のアプリで見落としやすいのが、台帳の出力の形です。PDFだけで出るものは見た目が崩れない一方で、提出の前に1文字直したいときにアプリに戻る必要があります。Excelで出せるものは、出したあとに自社で直せます。発注者や元請に出す様式が決まっているなら、その様式に近い形で出せるかを、無料期間のうちに確かめておきます。

写真の大きさの扱いを確かめる

工事写真のアプリには、預けるときに写真を縮めて容量を抑えるものと、撮ったままの大きさで残すものがあります。台帳に印刷するだけなら、縮めた写真でも足りることがほとんどです。一方で、撮ったままの写真を発注者に出す必要がある場合は、元の写真を別に残しておく必要があるかを確かめます。

公共工事で工事写真アプリを使うときの注意

公共工事で工事写真のアプリを使う場合は、発注者の決まりに合っているかを先に確かめます。民間工事より決まりが細かく、合っていないと、撮った写真を出し直すことになりかねないからです。

電子小黒板と改ざん検知

国土交通省は、撮影と同時に黒板の情報を電子的に記入する「小黒板情報電子化」を認めています。国土交通省の写真管理基準(案)では写真の編集は認めないとされていますが、この小黒板情報の電子的な記入は編集にあたらないと定められています。電子小黒板を使う場合は、写真の改ざんを検知できる機能(信憑性確認)を持つソフトを使うことと、事前に監督職員に申し出て承諾を得ることが求められます。

電子納品

公共工事では、写真の原本を電子データで出す電子納品が求められることが多くあります。写真のファイル名やフォルダの形は、国土交通省のデジタル写真管理情報基準などで決められています。電子納品に対応したアプリを使うか、別のソフトで電子納品のデータを作るかを、工事が始まる前に決めておきます。

発注者ごとの違い

自治体の工事では、国の基準をもとにしながら、独自の決まりを加えていることがあります。特記仕様書で、電子小黒板が使えるか、写真の提出の形はどうかを確かめてください。分からないときは、監督職員に聞くのが一番確実です。

民間工事やリフォームでは、こうした決まりがないことがほとんどです。その場合は、改ざん検知や電子納品の機能は要らず、整理と台帳づくりのしやすさで選んで問題ありません。黒板を使わない小さな工事でも、写真の撮り方は工事写真の撮り方の記事を目安にしてください。

無料の工事写真アプリとExcelの使い分け

工事写真のアプリには、無料で使えるものや、無料の期間があるものも多くあります。無料のアプリは、写真の枚数や容量、使える人数、台帳の出力に上限があることが多いので、何に上限があるかを先に確かめます。

無料版で確かめておきたいこと

工事写真のアプリを無料版や無料期間で試すときは、機能を一通り触るより、実際の工事1件で撮影から台帳の提出までを通してみるのが一番です。

  1. 現場の人が、説明なしで写真を撮る・送ることができたか
  2. 写真が工事ごとに迷わず集まったか
  3. 台帳が自社の様式に近い形で出たか、直したい部分を直せたか
  4. 事務の作業時間が、今のやり方よりどれだけ短くなったか
  5. 有料にしたときの料金が、短くなった時間に見合うか

Excelのままでよい場合

年に数件の工事で、写真が1件あたり数十枚ほどなら、Excelのテンプレートで台帳を作るやり方でも十分に回ります。アプリを入れる手間と費用より、テンプレートを1つ整えるほうが早いこともあります。Excelでの作り方は写真台帳をエクセルで作る方法の記事で、写真の貼り方から印刷の設定まで説明しています。

アプリに切り替えたほうがよい場合

一方で、次のような状態なら、工事写真のアプリを試す時期かもしれません。

  • 1件の工事で写真が100枚を超えることが多い
  • 写真を集めるために、現場の人に何度も連絡している
  • 台帳づくりで事務の人の残業が出ている
  • 写真の差し替えのたびに、Excelの並びを直している

どれも、Excelの使い方を工夫するだけでは減りにくい手間です。台帳の項目と並べ方の基本は、工事写真台帳の書き方の記事で確かめられます。

工事写真を整理して台帳にするアプリならフォトフクロウ

ここまでの3つのタイプのうち、フォトフクロウは整理・台帳系にあたるクラウドのサービスです。電子小黒板(黒板の写し込み)の機能はないので、撮影は今までどおりの黒板とカメラで行い、撮った写真の整理と台帳づくりを短くする使い方になります。電子納品のデータを出す機能もないので、公共工事で電子納品が要る場合は、別のソフトと組み合わせる形になります。

フォトフクロウでは、工事写真をフォルダのままドラッグして預けると、撮影日時の順に並び、撮影日ごとに見出しが付きます。写真台帳は、A4の紙の上で直接直す画面と、表で入力する画面の2通りで作れます。表で入力する画面は1行1枚で、Enter・Tab・Ctrl+Dや、Excelからの貼り付けが使えます。

表で入力の画面。写真ごとに1行で、写真・撮影日・工種などの列が並び、Excelと同じキー操作の説明がある
実際の画面:表で入力。写真1枚が1行で、工種・撮影箇所・説明を続けて入力する

出力の本体はExcelなので、出したあとも自社で直せます。同じ配置でPDFも出せ、見た目は標準・公共工事風・シンプル・ブルーの4種類から選べます。共有リンクを使うと、施主や元請にログインなしで台帳を見てもらえ、開かれたらメールで知らせが届きます。

チームで工事を共有でき、権限は管理・編集・閲覧の3つです。現場で撮った写真は、スマホからその場で工事のフォルダへ送れます。台帳づくりはパソコンのブラウザで行います。写真は預けるときに長い辺1600pxに縮めます(A4の台帳の印刷に足りる大きさ)。原寸のままは保存しないので、撮ったままの写真は手元にも残しておいてください。

料金は税込で、ソロが月980円(1人・10GB)、チームが月2,980円(管理1人・編集5人・閲覧5人・50GB)、ビジネスが月5,980円(編集15人・閲覧15人・200GB)です(原則6か月ごとの一括払い、年払いは10か月分の金額)。14日間は無料で、カード登録なしで試せます。

工事写真アプリのよくある質問

工事写真アプリは無料のものでも使えますか?

小さな工事なら無料のアプリでも使えることがあります。ただ、写真の枚数や容量、使える人数、台帳の出力に上限があることが多いので、実際の工事1件で撮影から台帳の提出まで通してみて、上限に当たらないかを確かめてから決めるのが安全です。

公共工事で工事写真アプリを使うときに確かめることは?

電子小黒板を使うなら、改ざん検知(信憑性確認)に対応しているかと、監督職員の承諾が要ります。電子納品が求められる場合は、その形式で出せるかも確かめます。詳しくは発注者の特記仕様書に従ってください。

工事写真アプリはスマホとパソコンのどちらで使うものですか?

撮影・黒板系はスマホで使うものが中心です。整理・台帳系や施工管理系は、スマホとパソコンの両方で使えるものと、パソコンのブラウザが中心のものがあります。現場で撮る人と事務所で台帳を作る人が、それぞれどの端末を使うかで選びます。

電子小黒板の機能がないアプリでも工事写真の管理はできますか?

できます。紙や板の黒板を写し込んで撮った写真を、整理・台帳系のアプリで整理して台帳にする使い方です。黒板の手間より、台帳づくりの手間が大きい会社に向いています。

工事写真アプリのまとめ

工事写真のアプリは、製品名から比べるより、困っている作業からタイプを絞ると選びやすくなります。

  • 撮影・黒板系は撮る作業、整理・台帳系は集める・整理する・台帳にする作業、施工管理系は現場の情報共有全体を楽にする
  • 公共工事では、電子小黒板の改ざん検知と電子納品の要否を、特記仕様書で先に確かめる
  • 台帳の出力の形(Excelで直せるか)と、写真の大きさの扱いを無料期間で確かめる
  • 写真の少ない工事なら、Excelのテンプレートのままでも十分に回る

まずは自社の工事写真の仕事を「撮る・集める・整理する・台帳にする・共有する」に分けて、どこに一番時間を使っているかを書き出してみてください。Excelで台帳を作るなら、工事写真台帳のテンプレートも使えます。

14日間無料・カード登録なし

工事写真の整理と台帳づくりを、もっと早く

工事写真をフォルダのまま預けて撮影日順に整理し、工事写真台帳をExcel・PDFで出力します。料金は月980円から公開しています。